中国滞在中、秘書のご両親には本当にお世話になりました。
特に、食事面では大変気を使って、美味しいものをたくさん食べさせてもらいました。
日本に帰ってきてから見返してみると、中華料理の写真がいっぱいです。
四川名物の火鍋はもちろんですが、印象的だったのは、「串串(チュアンチュアン)」という料理です。
まずは、串に刺さった野菜やお肉を、大きな冷蔵庫から自由にとって来ます。
とって来たものはこんな感じです。
これを、真っ赤にグラグラと煮えた鍋の中に突っ込み、具材に火が通ったら出して食べます。
日本でいうと串に刺さったしゃぶしゃぶのような感じですね。
四川ではありがちな真っ赤な汁ですが、火鍋を一度見ている室長は、この程度ではひるまなくなっていました。
しかも、見た目とは裏腹に、それほどべらぼうに辛いわけではありません。
(四川に10日ほどもいたので、慣れてしまったのかもしれません)
どの具材も十分に美味しさを味わうことができました。
秘書母が「食え食え」とばかりに、どんどんこちらに串を回してくれるので、串1本についている具材は小さいですが、かなりお腹いっぱいになりました。
さらに甘いお茶のようなものを頼んでくれたので、辛さをいい感じに和らげながら食べることができました。
甘い「王老吉」は四川料理の辛さとよく合います。
食べ終わったあとの串は、足元に置いてあるゴミ箱にどんどん入れて行きます。
食事がすっかり済んだあと、お店の人が串を集めて重さを測り、その重さで金額が決まるのです。
高い具材には串が2本刺さっているので、倍の値段になるという仕組みです。
面白いシステムです。(日本の回転寿司と少し似ています)
この後、秘書の父は一目散に麻雀へと繰り出して行きました。
四川人の娯楽はやっぱり麻雀なのです。
この他にも、度々美味しいレストランに連れて行ってもらいました。
この時は、豪華なレストラン。
四川の魚は川魚がほとんどでした。
日本人には馴染みが薄いですが、うまく味付けされていて美味しいです。
右上は辛い揚げ出し豆腐のようなもの。
長いお皿に乗っているのは、きなこをまぶしたお餅のようなデザートです。
実はこの時、テーブルの下には瓜瓜(グヮグヮ:秘書の飼い犬)がいて、魚や肉のかけらをもらっていました。
自由の国、中国です。
その他にも、ワイルド研秘書のおすすめグルメを2つ紹介します。
1つ目は、成都のショッピングセンターで食べた、餃子のようなシュウマイのような不思議なものです。
包子(バオズ)の1種で、生煎包(シェンジエンバオ)というものです。
「生」のまま焼く(煎)包子という意味だそうです。
つまり、蒸したりせず、いきなり鉄板の上で焼くのです。
秘書曰く、「下はザクザクする、奥はジューシージューシー、上は柔らかい」のが魅力だそうです。
(「ジューシー」が2回入っているのは間違いではありません)
その通り、美味しいものでした。
2つ目は、街角で売っているタピオカミルクティー。
カップの中にフルーツやタピオカを詰め込んで、最後にミルクティーを注ぎます。
これは秘書のお気に入りで、日本に帰って来てからも、しばらく「あれが飲みたい、あれが飲みたい」と言って、将来は日本でタピオカミルクティー屋さんを開業しようかな、と言うほど好きなもののようです。
* * *
連れて行ってもらった場所で特に印象的だったのが、こちらの施設です。
まるでカンフー映画に出て来そうな庭でした。
ここは、お金持ちの人が、昔風の建物の中に収集したアンティーク家具などを集めて展示している施設で、奥には食事をしたり、麻雀をしたりする場所がありました。
秘書は、「日本人は温泉宿に行くけど、中国人はこういうところに遊びに来るよ」と言っていました。
つまり、日本人にとって温泉にあたるものは、四川人には麻雀なのでしょう。
そして、この施設はみんなで来て楽しい時間を過ごすための保養施設のようなものなのだと推測しています。
本当に映画のセットのようでした。
それから、中華料理屋さんでよく見る、不思議な格好をした子供たちの絵にも出会いました。
写真は、四川绵竹年画村という場所で、この画風の伝統的な絵のグッズを今も作っているとのことでした。
この絵は、「年画」といって、春節(中国の旧正月)の時に飾る伝統的なもののようです。
* * *
10日間の中国の旅もいよいよ終わりです。
秘書と一緒に日本に戻ります。
空港までは秘書の両親が車で送ってくれました。
これは出発する車の中から撮った写真。
家を出るとき、秘書の家の愛犬、瓜瓜がお見送りに来てくれました。
家の前でお別れです。
ちょっと寂しそうです。
1時間半ほどで成都空港に着くと、秘書の両親ともお別れです。
しっかりお礼を言おうと思いましたが、ご両親は「バイバーイ」と、意外とさらっと帰って行きました。
渋滞する可能性があったので、かなり余裕を持って空港まで来たおかげで、色々と空港のおみやげ屋さんをゆっくりと見ることができました。
やはりパンダグッズが多く、中国っぽいお土産を買い忘れた人も困らないでしょう。
ターミナル内には、謎のパンダ広場がありました。
パンダが無造作に置かれているこの広場は、柵で囲まれていて、人間が入ることができません。
パンダの配置には、枯山水の石のような仕掛けがあるのかもしれませんが、よくわかりませんでした。
出発時刻になり、四川航空の機体に乗り込みます。
万が一の時の脱出方法についてもバッチリ確認して、離陸です。
秘書が常に楽しみにしている機内食は、中国発の便のせいか、行きの時よりは若干中国色があります。
そして、秘書は忘れず、機内サービスの辣椒醤(ラージャオジャン)をもらいます。
日本に帰ったら、しばらく食べられない故郷の味だからです。
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エピローグ
今回の旅で、中国という国に対する「恐怖」がだいぶなくなりました。
その「恐怖」の1つは、やはり辛い料理です。
食べられないほど辛い料理ももちろんありましたが、「火鍋を食べられなくば、人にあらず」というような扱いを受ける事もなく、四川の人たちはみな、室長が辛がっているのを笑って見ていてくれる人ばかりでした。
そして、「スアスア」などの対処法を教えてくれる、優しい人たちなのでした。
それからもう1つは、言葉が通じないことへの「恐怖」です。
室長は、何とか人並みには英語ができるのですが、英語が通じない国に行くのは初めてでした。
しかも、ちょっとかじっていた中国語は、英語とは比べものにならないくらい難しいのです。
ですが、秘書の通訳があったというのもありますが、言葉が通じなくても、秘書ファミリーの面々は、なんとかコミュニケーションを取ろうとして、四川人たちの愉快な人柄に触れることができたのは、素晴らしい体験でした。
これからも、中国5000年の歴史が生んだおもしろい文化を、少しずつ勉強していければと思います。
また中国に行く機会があると思いますが、どうぞお手柔らかに。
秘書と行く四川と重慶シリーズ
終わり