スリランカ Day3 ヤーラ国立公園のFriends

Day2インド洋とクマルさんより続き

朝4時半…
外はまだ真っ暗。
早起きをしたのは、動物たちの行動時間に合わせるためです。
今日はいよいよジープに乗って、ヤーラ国立公園に入ります。

朝食をとる時間はなかなか取れないですが、ホテルに頼むとお弁当を作ってくれます。

これで1人分。結構なボリュームです。

国立公園まで連れて行ってくれるジープとは、ホテルの前で5時に待ち合わせをしています。
5時になっても来ないので、あれっ、騙されちゃったかなと思いましたが、数分遅れてちゃんと迎えに来てくれました。
時間にうるさい日本人は、数分でも不安になってしまいます。
いいんだか、悪いんだか。

意外だったのは、昨日あんなに熱心に営業して、動物のことも詳しそうだったクマルさんが、ジープに乗っていません。
一緒に乗って何か解説してくれると思ったので、少し拍子抜けでした。

同行者は、イギリス人ぽい英語を話すお姉さんと、無口なお兄さんの2人です。
ワイルド研からも2人参加し、計4人で1台のジープをシェアする形になりました。
連れて行ってくれるのは、スリランカ人のドライバーさんとアシスタントらしきお兄さんの2人です。
スリランカ人は運転席と助手席に座り、あとの4人はジープの荷台に乗るというフォーメーションです。
まだ夜も明けないうちから、ヤーラ国立公園へと出発しました。

ジープが公園の前に着くと、スリランカ人たちは一度車から降りて、公園に入る許可を取りに行っているようでした。
このスキにと思い、ホテルでもらった朝食を少し食べながら待っていました。
彼らが何をしていたのかわかりませんが、10分かそれ以上経っても戻って来ません。
こうしているうちに雨がポツリポツリと来て、しまいには結構な強さで降り出しました。
「雨じゃあ、動物が出てこないんじゃなかろうか」
という不安が胸の内に湧きおこってきます。

もう一つ不安なのは、まだ辺りがかなり暗いということです。
早朝ですから当然といえば当然なのですが、うまく動物の写真が撮れないのではないか、と心配でした。

近くにいたネコで練習してみると、案の定ボケボケです。
のこのこ歩いているネコでさえ、この体たらくでは、何も撮れません。
(この後すぐに明るくなりましたので、この心配は杞憂に終わりますが…)
日本に帰ったら、暗いところでもいい写真を撮れるように練習しようと心に決めた瞬間でした。

余計な心配をしながら待っていると、スリランカ人のお兄さんたちが戻ってきて、いよいよ出発です。

ジープのドライバーも、運転はひどい荒さです。
国立公園内にはジープ用の道があるのですが、アスファルトで舗装されておらず、土の道を走ります。
ですが、観光客が乗るジープがかなりの数通るため、すぐに「わだち」ができてしまい、そのデコボコを嫌って、みんな路肩にはみ出して走行します。
結果として、右側の車輪は通常の道の上にあり、左側の車輪は1段下がった路肩を走る形になり、ナナメに傾いた状態で走っていきます。
路肩が急に低くなるところもありましたが、ドライバーはお構いなしにグイグイスピードを上げていくものですから、いつジープがゴロンと転がるかと、ヒヤヒヤしていました。

やがてドライバーさんが車を止め、外を指さします。
「Green bird! (緑色の鳥がいるよ)」

彼の指の先には、見たこともないキレイな鳥がいました。
後で調べたところによると、ハチクイという鳥の仲間らしいです。
暗かったですが、なんとか写真を撮れました。
(後ろ姿ですが…)

次に車が止まると、
「Peacock! (クジャクがいるよ)」

おおー、という感じです。

お兄さんたちは、数分おきに動物を発見していきます。

「Crocodile! (ワニがいるよ)」

沼の中にワニがいました。

イギリス人のお姉さんも自ら動物を発見しては、ジープを止めさせます。

これは、painted storkという鳥です。

悪路を進んでいくと…

水牛。白い鳥につっつかれている。

少し開けた、動物の水飲み場に出ました。
鹿の群れが草を食んでいます。
奈良とは違った風情があります。

ドライバーのお兄さんのお気に入りなのか、例のgreen birdを見ると頻繁に車を止めて、「さあ見ろ」と言わんばかりです。

これが「green bird」のベストショット。
雨に濡れていますが、羽の色はとてもキレイ。

だいぶ明るくなってきました。

やがて、やけにジープが混み合っているところがありました。
ぼんやり聞こえてくる話から、どうやらヒョウがいるようです。

昨日のクマルさんの話では、ヒョウが見られる確率はフィフティ・フィフティだと言っていたので、見られればラッキーです。
ドライバーさんもジープをゆっくりと進めてくれます。
しかし、いくら目をこらしてもヒョウらしいものは見えません。
ジープが集まってきてしまったためか、姿を隠してしまったのかもしれません。
残念…

 

また少しジープを進めていると、自分とは反対側に乗っていたワイルド研秘書が突然叫び出しました。
「あーっ!あーっ!」
ジープを少しバックさせてもらうと、道の脇にでかいイノシシが。

秘書は「ブタだ!ブタだ!」と興奮しています。
中国では、ブタもイノシシも区別しないようです。
その証拠に、干支の亥年は「ブタ年」らしいのです。
この後、帰り際にも秘書はブタ(イノシシ)を見つけていたので、よっぽど縁があるようです。

呑気に道を渡る「ブタ」。

やがて森を抜けて、海の近くまでやってきました。

動物に夢中になっている間に、雨は上がっていました。

木の上にかっこいい鳥

木の上に大トカゲ

浜辺に近いところで一休みになりました。
ここにトイレもあります。
ドライバーさんがスイカとバナナを用意してくれていましたので、美味しくいただきました。

ここまで来て、ふと思ったことは、
「あれ? ゾウとかいないじゃん」
ということです。
やはり、雨の影響か、動物は姿を見せないのでしょうか。

その心配は、休憩後すぐに解消されます。
ジープの通りの少ない道に入って行くと、ゾウの姿が!
距離はかなりありましたが、はっきりとその姿を見ることができました。

もう少し近い場所にジープを移動させると、鼻で他のゾウのしっぽを掴んで遊んでいる様子を見ることができました。

ドライバーさんも
「You are lucky, friends!(君たち運がいいなぁ)」
と満足げです。
こちらも、「Yeah!」と返します。

この後も、マングースなどを発見したりしましたが、だんだんと帰る雰囲気になってきます。

そうなると最後の心残りは、やはりヒョウです。
自分たちは、見られない日に当たってしまったのかと諦めかけていました。

少し行ったところで、ドライバーさんが車をとめて、路肩に停まっていたジープの運転手と現地の言葉で何やら話しています。
状況がよくわからないでいると、
「leopard!(ヒョウがいるぞ)」
という声が聞こえました。

ドライバーさんが指差す方を見ると、いました。
確かにヒョウです。
顔こそ見えませんでしたが、木の上で休んでいるヒョウの姿が!

ドライバーさんは満面の笑みで、
得意の「You are lucky, friends!」
を繰り出してきました。
もちろん、こちらは「Yeah!」と応えます。

一通りの動物を見られて大満足のヤーラ国立公園でした。

 

Day4に続く。

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